・「オペラ座の怪人の夜」2007年3月22日夜渋谷区千駄ヶ谷・東京体育館 世界フィギュア選手権東京大会 男子シングルフリー 最終グループ 23番滑走(SP3位) 高橋大輔選手(日本) 「だいすけえええええ!」 hakaの前に陣取る大輔ファンらしき女性らが コーフンのあまり黄色い声で絶叫 「あああああっこんな状況で滑走なんてだいじょうぶかしらあああだいすけええ」 「だいじょうぶよあのこはもうむかしのこじゃないのよ」(←保護者かよ) 「でもおおお、でもおおお(←泣きそう)」 「ガラスのエースは返上したのよおおお」 みんな壊れております(^^; 今にも泣きそうな声でみな口々に大輔こと高橋選手を心配し 不安やプレッシャーと闘う高橋選手を見守りながら 彼女ら自身も不安やプレッシャーと闘っている(に違いない) 高橋選手がリンクで体制を整える さっきの歓声がウソのように静まり 会場中がしんとなりピンと気が張り詰める 研ぎ澄まされた表情の高橋選手とは対照的に 優しく優しく流れてくる 「オペラ座の怪人」のイントロメロディー 最初の四回転で手を付いた! しかしその後は乱れずに難易度の高い すぱっ!とキレる剃刀ジャンプを ばんばん決める ひとつジャンプを決めるたび 「ほおおお!」と歓声が上がる みんなが高橋選手の演技を祈りながら見つめてる ジャンプのキレ味は抜群 スケーティングのまったり度も抜群 しなやかな小さな体とプリ尻が滑っていると大きく見える その荒涼とした雰囲気や眼ヂカラの威力も含め 「オペラ座」を演じる高橋選手は 野を駆け抜ける狼のようだ 1.1倍の加点を見込んだ後半の固め打ちジャンプを成功させ ストレイトラインステップの手前 「オペラ座の怪人」の中でもっとも有名なフレーズ ♪じゃーん!じゃじゃじゃじゃじゃーーーーん!!♪ この時、リンクの端で怪人が 渾身のチカラで腕をがあっ!と振りあげて 修羅の気迫をスパークさせて あの時会場にいたすべての人々の「気」を飲み込んだ 「俺は勝つ!」全身でそう言っていた 真央ちゃんの有言実行イメージ戦略 「ノーミスして」「200点取って」「優勝して」のように 事前のインタビューで 高橋選手は力強く言っていた 「メダルを取ります。自信はないけど、これからつけます」 イメージしたものが現実となる 世界で負け続けた辛い経験、それを乗り越えての勝利、ようやく安定したジャンプなど いままで積み重ねてきた確固たる自信が 高橋選手に強い自分のイメージを与えることが出来ていた おめでとう、高橋選手 誰でもない 自分に勝ったんだね・・・と 勝利へのストレイトラインステップを見守りながらも 何故か素直に喜ぶことが出来ず ちょっと複雑な気持ちになったhakaであった 演技が終って点数が出て 滑走者ひとり残して二位(銀メダル)が確定したその時が この夜、東京体育館がいちばん熱くなった瞬間だった 前にいた壊れかけのおね~ちゃんたちは泣いていた 横にいた首からストラップを下げた関係者らしき人は 「ダイスケ・・やったなあ・・・」と感動していた そんな奇跡の夜の歓喜の中、hakaはひとり醒めていた(ような気がする) その後バトルさんが滑ったような気がするのですが・・・ ごめん、やっぱりあまり覚えてない(^^; 気分は既に「表彰式の日の丸」だったような・・・(笑) 競技はすべて終了 しかし依然として日本人男子初の銀メダルの快挙に 会場中が酔いしれる東京体育館 この熱気この瞬間を味わえた今宵の皆様、本当に幸せもんです^^ ここでようやくhaka、Rさんと合流 高橋君メダルやったねー!といおうとしたらRさんってば開口一番 「ジュベール!逃げたあああ~!」(笑) 場内FM解説を聞いていたRさん曰く SPでダントツ一位だった007ことジュベールは フリーではあえて攻めずに点差を計算して無難な技に「逃げた」らしいのだ (確かにランビやダイスケに比べて、最後のほうショボかった・・・・) つまりジュベールが逃げずにせめて失敗とかしていたら ダイスケが優勝ってのもありえたワケである 「高橋くん、フリーで一位だよ!やっぱりフリーで一位が真の優勝者だよね」 はい、そのとおりです^^ 今晩は誰が何と言っても、怪人・高橋くんの夜なのです!! ここからは21:30の最終新幹線を気にしながら ふたりそろって表彰式を観る みっつならんだ国旗の中に日の丸が見える 「昨晩、話していたとおりになったね・・・」 「ダイスケは絶対にやってくれると思ってたよ・・・」 銀メダルをかみ締めるダイスケ すごくいい顔、幸せそうだ~ ようやった大輔!バンクーバーも任せたぞ!! (しかしなぜ日本のメダリストはみなメダルを噛むのだ??) 表彰式の途中、あのジュベールが泣いていた ちょっと感動・・・ そんなに金メダルほしかったんだねえ・・・ SP、FSともにノーミス、それも王者の証だぜ おめでとう!007! そして今回の大会で一気にファンになりました ランビエール様 今後あなたの演技は要チェックでございます 最後に・・・いま、ここにはいないけど 終ってみれば7位、案外妥当なところかな? でも内容が残念だったねフライボーイ きみは言ってた「どの瞬間も無駄はない」 もちろん今回の結果だって決して無駄なことじゃない いまのきみに必要なことだったんだってhakaは本気で思ってる 優しいきみもようやく「修羅」になるのかな? * ウイニングランでリンクを回るメダリストたち 最終新幹線を気にしつつ、会場でギリギリまでネバるRさん&haka 高橋選手が荒川静香さんと本田武史さんと抱き合っている姿が見えた 彼の苦労を誰よりも知っていると思われる先輩たちとヨロコビを分かち合う高橋選手の姿に、涙腺が緩んだ コーチを同じくする荒川さんの金に続けと 高橋選手の銀・・・そして(この時はまだ決まっていなかったが)安藤選手の金 トリノでは悔しい思いをしたふたり その物語は彼らにとってはまだ終わってはいなかった トウキョウはトリノで失った誇りを取り戻すための「絶対に負けられない闘い」だった(←テレ朝?) 彼らはその、自分との闘いに勝った トリノで折れた翼はトウキョウでふたたび見事に羽ばたいた すべては脈々と繋がっている だったら次に笑うのは今回いちばん悔しい思いをしたヤツだ 「未練はチカラなり」 応援していた選手が結果を出せなくて 悔しい思いをした初めての「世界フィギュア選手権」観戦 でもきっとこの悔しさが hakaの推進力・・・飛び回るチカラになるんだなあ・・・ などと 飛び乗った最終21:30の新幹線のなかで Rさんと一緒に Rさん差し入れのオイシイ鳥皮をかじりながら思う hakaなのであった^^ |